人物:
 芥川龍之介(小説家)
 
生没:
 1892年(明治25年)3月1日〜1927年(昭和2年)7月24日
 
概略:
 日本文学界の鬼才。芥川賞は彼を記念して文芸春秋社により昭和10年に創設。
 
 辰年辰日辰時に生まれたため龍之介と命名される。旧姓は新原。生後9ヶ月頃に実母が発狂したため、伯父の芥川道章に預けられ、後に養子となる。
 
 旧制東京府立第三中学(現、都立両国高校)、旧制一高(現、東京大学教養学部)を経て、東京帝国大学(現、東京大学)英文科に進む。卒業時は次席であった。いわゆる秀才であったため「飛び級」をしたとも言われている。
 
 大学在学中に、久米正雄や菊池寛などと共に第3次「新思潮」を創刊。処女作「老年」を発表。
 
 小説「鼻」が夏目漱石に絶賛され、作家として立つ意志を固める。
 
 作品のほとんどは短編で、中には「今昔物語」や「宇治拾遺物語」を題材にした歴史物や、キリスト教を扱ったものが数多く見られる。
 
 晩年、極度の神経衰弱に陥る。原因は母の発狂死であると言われている。自分も母親のようになるのではないかという考えが常に頭から離れなかった。
 
 北原白秋と菊池寛の間に起きた訴訟事件で両者の板挟みになったり、義理の兄の鉄道自殺など、身の回りの不運な出来事のため心労が重なり、昭和2年、田端の自宅でヴェロナールという睡眠薬を服用し自殺。一説には作家として行き詰まりを感じていたとも、極度の空想癖のため理想と現実との矛盾に苦しんでいたとも言われている。
 
 長男は俳優・演出家の芥川比呂志。次男は作曲家の芥川也寸志。
 
著作
 老年
 羅生門
 鼻
 野呂松人形
 孤独地獄
 毛利先生
 芋粥
 地獄変
 薮の中
 蜘蛛の糸
 続・猿蟹合戦
 煙草と悪魔
 あの頃の自分のこと
 雛
 トロッコ
 蜜柑
 闇中問答
 河童
 歯車
 ある阿呆の一生
 侏儒の言葉
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