Perl

 

Perl(パール)はラリー・ウォールによって作られたインタプリタ方式のプログラミング言語およびその処理系である。Perl言語は、記述の美しさよりも実用性をモットーにしており、Cや sed、AWK、シェルスクリプトなど他のプログラミング言語のすぐれた機能を取り入れている。Webページの掲示板やチャットなどのCGIやシステム管理、テキスト処理などのプログラムを書くのに広く用いられている。代表的なアプリケーションはMovable Typeなど。

言語処理系としてのperlはフリーソフトウェアであり、アーティスティック・ライセンスおよびGPLのもとで配布されており、誰でもどちらかのライセンスを選択して利用することができる。UNIXやWindowsなどの多種のプラットフォームの上で動作する。


「Perl」は当初、新約聖書の「マタイによる福音書」13章46節の「高価な真珠」にちなんで真珠を意味する「pearl」と名付けられた。ラリー・ウォールは肯定的な意味を持つ短い名前を選びたいと考えていて、彼によれば、3文字および4文字の単語を辞書から探して全て読んでみたが見あたらなかったということである。また、彼は妻のグロリアにちなんで名前を付けることも考えた。

Perl言語の正式なリリースの前に、すでに「pearl」という名前のプログラミング言語が存在することに気づき、綴りを変更して「Perl」とした。このように、「Perl」は略語ではなく、元々意味は無いが、あとからいくつかの意味が考えられている。正式なマニュアルでは、Practical Extraction and Report Language(実用的なデータ取得レポート作成言語)の意味であるとしている。Pathologically Eclectic Rubbish Lister(病的折衷主義のガラクタ出力装置)という少し皮肉な意味も考えられている。

「Perl」という名称の記述においては、若干の注意が必要である。Perl言語を示すときは「Perl」というように、頭文字を大文字にして固有名詞であることをはっきりさせる。Perl言語の、現在配布されている唯一の言語処理系は「perl」という名前である。一般に「perlだけがPerl言語を解釈することができる」という表現がなされる。「PERL」のように全てを大文字にするのは誤りである。


ActivePerl(アクティブパール)とは、主にWindows環境で使用されるActiveState社によるPerlの互換実装(一応、Windows環境以外にも移植されている)である。ただし alarm関数などいくつか実装されていない機能もある。

ActiveState社独自の方式である PPM (Perl Package Module)と呼ばれるモジュールをインストールするツールが附属しており、圧縮解凍ツールやコンパイラなどの外部アプリケーションを使用せずに、拡張パッケージのインストールや削除などの管理を行うことが出来る。本来の Perl のライブラリであるCPANなどを別途インストールすることも可能であるが、この場合はCコンパイラやmake、gzip等のツールを事前に用意する必要がある。

PerlScript等 Windows独自の機能を利用した拡張ライブラリも多く提供されている。


フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋

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