三段論法

 

客がカフェでアップルパイを注文した。

ボーイが運んで来ると、気が変わったと言ってパイを返し、

代わりにブランデーを一杯注文した。

運ばれてきたブランデーをグイと一息に飲み干すと、客はそのまま帰ろうとした。

ボーイが慌てて引き止めた。

「お客さま、ブランデーのお代金を頂いておりませんが」

客は平然として言った。

「だってその代わりにアップルパイを返しただろうが」

「そのパイの代金は頂いておりません」

「そりゃそうさ。食べたわけじゃないんだから」

 
 

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