祈りの差

 

あるラビとバスの運転手が同じ日に死んで、

天国の門にある天使たちの検問所に行った。

バスの運転手の方は、すぐに天国に入ることを許された。

しかし、ラビの方は、色々調べねばならないので、暫く待つよう言い渡された。

これを聞いたラビは激怒した。

「あのバスの運転手が、非宗教的なユダヤ人であることを私はよく知ってるんだ。

 シナゴーグへは一度も行ったことはないし、安息日だって守ったことはなかった。

 だが、私は毎日タルムードの教えを人々に説いてきたんだ」

「それはわかっている」

天使の一人が答えた。

「しかし、タルムードを教えたとき、

 あなたは人々に祈りを誘うかわりに、眠りに陥らせた。

 だが、あの運転手がバスを走らせたときは、皆が祈った」

 
 

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