ある日カーターは、妻のロザリンと共にキャンプ・デーヴィッド周辺を散歩していた。

そばの牧場では、何頭かの牛が草を食べたり横たわったりしている。

そののどかな風景を見ながらカーターが言った。

「ロザリン、私は神様の偉大さは信じるが、一つだけわからないことがあるんだ」

「・・・?」

「あそこにいる牛たちのことだが、あれだけ体が大きいのに、

 ごく限られたところでしか餌を食べられない。不公平だと思わないか?」

「なぜ不公平なの?」

「だってそうだろう。小鳥は小さい体で牛ほど餌を必要としていない。

 だけど、どこへでも飛んでいける羽がついている。

 その羽がもっと必要なはずの牛にはついてない」

「全知全能の神様のことだから、ちゃんと考えがあってのことでしょう」

そのとき、2人の頭上を1羽の鳥が飛んでいった。

それを見上げたカーターの額に糞が落ちた。

「なるほど。牛に羽がないわけが、これでわかったよ」

 
 

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