馬の耳に念仏
            
通 説

 いくらありがたい念仏を聞かせても、馬は理解しないということ。有益な忠告などをいくら言って聞かせても、聞き流すだけで効果のないことのたとえ。

  
   
珍解釈

 せっかく大人しくしている馬に怪し気な格好をした一人の男が近づいて行き、その耳元で何やら意味ありげな言葉を呟き始めた。その言葉と共に耳に熱い吐息を吹き掛けられた馬は、何を勘違いしたのか、あらぬ事を想像しつつ、半ば興奮状態に陥り、期待とあそこを大きく膨らませながら、その言葉にそっと耳をそば立ててみる。しかし、よく聞いてみると、それは何ともつまらない念仏であることがわかった。怒り狂った馬は暴れだし、その男を黄金の後ろ足で蹴飛ばして、厩舎の中にオウン・ゴール。男は全身に大怪我を負ったが、ついにレッドカードは出なかった。転じて、相手に余計な期待を持たせるような紛らわしい行動は、最後には災いをもたらす。用もないのに軽々しく念仏など唱えてはいけないということのたとえ。

  
   
教訓

 馬をなめたらあきまへん。馬や思うておちょくっとったら、ほんまえらい目に遭いまんで。念仏を唱える時は、そばに馬がおらんかどうか、くれぐれも気を付けなはれや。

 
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